日本の生理学者がSTAP細胞に関する報道等から、日本の研究環境の異常事態を論じている。教授選におけるインパクトファクター重視による弊害、旧科学技術庁主導による研究費配分の偏在の問題、国立大学独立法人化による研究室の改廃、競争的資金など、現在の制度の何が問題なのかということもわかりやすく書かれている。
もちろん、これによって、莫大なお金を得て、進歩した研究もあるのだろうが、おそらく大半はそうではないであろうと思っていたのを納得させるに十分な話であった。
だから、大学はダメなんだというのは簡単で、こんな中で何が出来るだろうかと投げかけられたような気もして、身も引き締まる思いになりました。
でも、巨額の資金を手にしている研究者が幸せなのかと思うと決してそうも見えなかったりして、お金が無くても無いなりの活動が出来ていれば、大学本来の自由な活動は出来るのではないかとも思う。
これらの活動がある一定の社会的認知を得られることが次に必要なステップなのかもしれません。続いていかなければ、それまでのものでしかないわけですし。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年12月30日
- 読了日 : 2014年12月29日
- 本棚登録日 : 2014年12月29日
みんなの感想をみる