優駿(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1989年11月28日発売)
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本棚登録 : 1794
感想 : 132
5

静内のシベチャリ川に祈る博正の姿がこの物語の芯にあるように思う
サラブレットを育てるという、人間の勝手なのかロマンなのか運命なのか
ただそのことだけに気持ちを注ぐ渡海親子の姿に胸がうたれる
心根がきれいで、冷静でいてやさしい人たちが最後は勝つんだ
そういう気持ちで読み終える小説
若く薄幸としか思えない人生を終えた誠のことでは
まわりの人間たちの気持ちも含めて、苦しい位の辛さを感じさせられる
オラシオンという不思議な馬の、人生を狂わせられ救われる人たちの姿にも
何度も何度も涙が流れる
人が幸せだ、順調だと思うときほど、人は悪いことに気付かないのだ
何があっても、再生できる
終わりは始まり
何度読んでも、大好きな小説

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 現代小説(日本)
感想投稿日 : 2012年2月12日
読了日 : 2012年2月12日
本棚登録日 : 2012年2月12日

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