フランス人の主人公がナチのゲシュタポとなって旧友ジャックの拷問やマリー・テレーズの凌辱に絡んでいく。神のためと言いながら自己陶酔することを許さず、ひたすらに悪魔的な思想と行動、その後の疲労に支配される。
斜視・すがめで幼い頃から「一生、女たちにもてないよ。お前は」と顔立ちの醜さを宣言された父の仕打ちも影響している。クリスチャン遠藤周作の芥川賞作品、読み応えあったが、圧倒的な暴力に清々しさはない。
最後のマリー・テレーズの歌は何を伝えたかったのか。
薔薇のはなは、若いうち
つまねば
しぼみ、色、あせる
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月17日
- 読了日 : 2023年9月17日
- 本棚登録日 : 2023年9月15日
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