白い人・黄色い人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1960年3月17日発売)
3.41
  • (66)
  • (134)
  • (316)
  • (29)
  • (6)
本棚登録 : 1875
感想 : 145
4

フランス人の主人公がナチのゲシュタポとなって旧友ジャックの拷問やマリー・テレーズの凌辱に絡んでいく。神のためと言いながら自己陶酔することを許さず、ひたすらに悪魔的な思想と行動、その後の疲労に支配される。
斜視・すがめで幼い頃から「一生、女たちにもてないよ。お前は」と顔立ちの醜さを宣言された父の仕打ちも影響している。クリスチャン遠藤周作の芥川賞作品、読み応えあったが、圧倒的な暴力に清々しさはない。
最後のマリー・テレーズの歌は何を伝えたかったのか。
薔薇のはなは、若いうち
つまねば
しぼみ、色、あせる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月17日
読了日 : 2023年9月17日
本棚登録日 : 2023年9月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする