ぼおるぺん古事記 三: 海の巻

著者 :
  • 平凡社 (2013年2月26日発売)
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日本最古の史書である「古事記」を、ボールペンによりコミック化された「ぼおるぺん古事記」の第3巻、海の巻です。


またまた、私的にアラスジで説明・・・

 オオクニヌシから葦原中国(あしはらなかつくに)を譲り受け(奪い取った)天上の神アマテラスオオミカミは、地上を治める神として息子のアメノホシホミミノミコトを送ろうとしますが、何だか気分が乗らない息子は、その息子。アマテラスオオミカミの孫にあたるニニギを送ることにします。
 下界へ向かう道の途中に、とても怖い顔をした神が居座っているのを知り、アマテラスオオミカミはアメノウズメを使って追い払おうとしますが何と、地上から迎えに来たサルタヒコと言う神様でした。

 サルタヒコの先導で、地上に降りたニニギと沢山の神様御一行。辿りついた海に面し、太陽が照らす国「日向」(ひむか)を気に入り、「ココを拠点とする!」と決めます。

 道案内をしてくれたサルタヒコに感謝し、アメノウズメに付き添わせて自宅へ帰すことにします。途中、サルタヒコは海の貝に挟まり溺れかける。サルタヒコを送り届け、ニニギの元に戻る途中、アメノウズメは言う事聞かない海のものに対し、「あんたらが反抗してるのは、アマテラスオオミカミの孫のニニギなんだけど、覚悟あるんだろうね?」って聞けば、「仕え奉らむ!!」と瞬時に掌握。

 ニニギは、ある時コノハナノサクヤビメを見初め、姉がいる事を知り、二人と結婚。しかし姉のイワナガヒメは醜くて追い返す。これに怒ったイワナガヒメ、コノハナノサクヤビメの父オホヤマツミノカミは、呪い?をかけます。以降、不死だった神様の命に“限り”が出来ます。
(神話的には、神様の亡くなった日が書かれるようになった。と言う事です。)

 コノハナノサクヤビメが懐妊すると今度はニニギ、何を思ったか「私の子では無いのでは?」と言い始める。怒ったコノハナノサクヤビメは別居。出産時には自ら家に火を放ち、燃え盛る中でホデリ、ホスセり、ホヲリの三人を産みます。

 漁師となったホデリ、猟師になったホヲリはある時、お互いの道具を交換し、海山を変えて見る事にした。弟のホヲリは慣れない海で兄の大事な釣り針を無くしてしまう。誤ってもどうにも許して貰えず、剣を500本の釣り針に作り変えて持って行っても、あの釣り針を返せと譲らない。困った弟ホヲリは、海で泣いていると海の神様がやってきて理由を問う。説明すると小舟を差しだされ、「コレに乗って、海の底にあるワタツミノカミの宮へ行けば、何とかなる。」って事で、船で海の道を勝手に流されます。

 海の底でホヲリは、トヨタマビメと恋に落ち3年暮らします。ホヲリの様子が何だか変。聞けば、無くした兄の釣り針が気になってしかたない。何だそんな事かと、すぐに全魚たちに聞けば、針が引っ掛かったままの魚が居た。針を得てトヨタマビメの元を去る時、父の海神(ワタツミノカミ)は兄への仕返しの技を授けます。

 陸に戻ったホヲリは、ワタツミノカミに授かった技により兄ホデリを打ち負かします。そこへ、トヨタマビメがやって来ます。「どうやら子供が出来たらしい」って事で結婚して一緒に暮らしますが、出産の時は見てはいけないと言われる。と言われれば見てしまうもので、本当の姿を見られたトヨタマビメは、産んだ子を置いて海に帰ってしまいます。この時に生まれた子が、タマヨリビメと結婚し生まれた子どもの1人が、ワカミケヌノミコト。後の神武天皇となります。


これで神話の時代が終わり、天皇の時代になるようです。


このシリーズは確か、ohsuiさんのレビューで初巻を知りました。そしてようやく読了。
ストーリーの自己確認の意味で、長いあらすじを書きました。


申し訳ないですが、こうの史代と言う著者を全くしりません。でも、この「ぼおるぺん古事記」は大当たりでした。

日本の神話。日本で現存する最も古い書物「古事記」。なかなか面白いです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2013年8月10日
読了日 : 2013年8月3日
本棚登録日 : 2013年3月12日

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