肩書きだけの管理職: マクドナルド化する労働 (シリーズ労働破壊 3)

  • 旬報社 (2007年12月1日発売)
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感想 : 6
3

今日、読んだ本の2冊目はこれでした。
1日で2冊の本に加えて1本の映画を観る自分。

じっとしてらんない性格で、試写会に行き出すまでは映画もあんまり観なかったし、活字読むのも苦手だった俺からはちょっと想像できないけど、今は意外と普通にできてたりして。
人間、変われるもんですね。

で、この本。
俺個人の感想としては、働いてる人たちみんなに関わる大問題だし、段違いの勘違いを防ぐ為にもみんなに読んで欲しいと思いました。

【著者からのメッセージをHPより転載。】
 ハンバーガーショップにファミレス、コンビニ、ロードサイドの紳士服チェーン、消費者金融…。「シリーズ労働破壊」の第3巻が取り上げる企業は、どれも過去20年ほどの間に飛躍的な成長を遂げ、今や日本中の街のいたるところで展開されている業種ばかりだ。現代社会を体現しているかのような企業群の労働現場における実態の、なんと凄まじいことだろう。

 …どんなに頑張っても報われない。店長や支店長は“管理職”だからという理由で、残業代がまるで支払われなくなった。過労死、過労自殺は日常茶飯事。会議で社長に意見したら鉄拳制裁を食らった店長もいたという。経営者の水準が著しく劣化してしまった。

 労働基準法が労働時間や休日に関する規定の適用を除外しているのは、いわゆる管理職でなく、「管理監督者」だ。経営者と一致する立場の者を指す。絶えずノルマに追われ、自分の帰宅時間を決める権限も与えられずに本部の上司に罵られまくられている人々の、どこがどう当てはまるのか。各店長に現状を報告させるためだけの会議を“経営会議”と呼んで、彼らが経営に参画しているかのように見せかけている企業さえあった。何のことはない。管理職という名の、店長たちは奴隷にされている。
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管理職ってなんなの?現場のリーダーは管理者であっても、経営に携わってるとは言い難い。だから、管理監督者とは言えない。だから、この範疇には収まらないんだから残業代は出ても良いと思う。というか、職位が上がって責任範囲も広くなって忙しくもなってるのに年収が下がるなんてことがまかり通っていいのかと思ってしまいました。

企業が人件費を削減したいのはわかるけど、これじゃ頑張る気も起きないよ。。。
で、追い討ちかけるように「できないのは管理者のせいだ」なんて言われた日には参りますね。これは、どんな業界にも言えるんじゃないかな。。。

折りしも、つい先日この本の中に出てくるマクドナルドの残業代裁判の判決が出た。
結果は、「管理監督者とは認められないので、残業代を認める。」だった。
当たり前だよ。過去2年分しか請求できないってのがなんともやるせないけど、それでも大きな一歩だったと思います。他の企業にも牽制になったんじゃないかなと。

っとまぁそんな評価されなかった現場リーダとは逆に、その名の通り「肩書きだけの管理職」って人も実際いるけどね。。。
経営層のレベルの低下。これは、年長者に話を聞くと結構いつも出てくるけど、中途半端な成果主義が根っこにあるような気がしますわ。
今まで何もできない人は何もやらなくても職位が上がってったけど、成果主義が取り入れられたことで何かしなくちゃ上がれなくなった。そこで、現場知らねぇくせに権限だけは持ってるから思いつきで体制変更なんかして、いかにも「俺はやった」的な。組織の法則だからしょうがないっちゃしょうがないけど。。。なんか世の中おかしいよなって思います。

多分、実力もあってめっちゃ仕事できる人なのになかなか評価されず、それでも腐らず頑張ってる人って世の中にたくさんいると思います。そんな人たちが少しでも幸せな生活を送れるようになればいいなぁと。その為には、やっぱ知識の底上げって必要だよなぁ。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス本
感想投稿日 : 2010年5月10日
読了日 : 2008年2月6日
本棚登録日 : 2010年5月10日

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