店長の前のめり感がさく裂しています!笑
仕事上は利害関係ないところでお付き合いしたい人物です。
遠目で見ている分には個性的で面白いおじさん、ですが自分と係わるとなるとストレスの急増は免れないでしょう。
彼が上司だったら……、と思うとゾッとする。
多くの読者は主人公である谷原京子の目線でストーリーを追っていくと思うのですが、私もその一人。
そこで思ったのは、自分の仕事に対しての意気込みの変化なんですよね。
前作の時は、私も谷原京子と同じくらいの熱量で仕事をしていたと思うのです。
愚痴・怒りが仕事をする上での原動力になっていたのは事実なので。
なので、谷原さんが店長、その他諸々にいきり立っている感情も「わかるよわかる~」と、首を激しく縦に振りながら読んでました。かなり深く感情移入していた。
今回の「続!」では、それほど感情移入しなかったんですよね。
職場の変化が理由です。
転職により、結構平和な職場で仕事が出来ているんですよね。イライラとかたまにあるけど、悩みにまでは発展することのない軽微なモノなんですよね。
京子のイライラが過去のモノと化していることに気づいたのです。
なんだろな、がむしゃらに働いていた頃が懐かしいって言うのかな。
京子と自分との間に距離ができたと感じました。
躍起になって仕事するのって、短期勝負では必要な事なんですけど、長期的な目線で見ると難しいんですよね。
(人間、老化には逆らえないもので、若い頃のがむしゃらさをずっとは続けられないと、私自身は判断しました)
まさに、本にも書かれていましたが、こういう事なのだと思います。
”しかし、人生はエピローグではない。いや、エピローグこそ本編なのだ。たとえ本として一冊にまとめられるような一時期が私の人生の中にあったとしても、数十冊、あるいは数百冊にも及ぶかもしれない凡庸な毎日がその後も続いていく。”(抜粋)
シリーズものは本を読むタイミングでの自分の心境の変化を見つめるきっかけになったりしますね。新たな発見。
そして、この本の面白いところは書店員さんの日常が垣間見れるところなんですよね。
アルバイトの面接の様子とか、結構リアルなのでは?
ちょっと驚いたのは、書店員さんに本の解説の依頼がある事です。頻繁に依頼がくるものなのでしょうか?
(たまに本屋の人が解説書いてるのは見るけど、頻度は少ない)
続編がありそうな予感で終わってますね。
次があると信じて。
次の展開が楽しみです!
- 感想投稿日 : 2024年3月8日
- 読了日 : 2024年3月8日
- 本棚登録日 : 2024年3月4日
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