伯爵と妖精 真実の樹下で約束を (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社 (2011年9月30日発売)
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本棚登録 : 337
感想 : 33
5

たぶん、このシリーズ中一番すきな終り方だったように思う。いえ、展開は好きではないですが、最後のエドガーのセリフが。
ここ数巻、ずっと苦しいままでいたエドガー。久しぶりに見せた調子の良い彼と、これからのことを思う辛い彼と、そして最後の言葉に込められた意味を思うと、リディアでなくても泣けます。ここからまた急展開になるのでしょうか。
作中でも触れられていますが、血のつながりはないみんなが、ひとつのファミリーとして機能し始めていて、それに心を打たれました。みんな、それぞれがそれぞれのことを思って決断を下していて、ちょっとばかりの犠牲にはなんの躊躇もしないけれど、どれだけ自分がファミリーにとって必要か知っているから、生きていようとする。死んでも良いと自己犠牲をするのと、生きて帰ってくると決断して危険に足を踏み入れるのでは、大きく意味が違います。だからこそ、みんなが死なないように、これからも生きて行くために行動していて、それに逐一感動しました。
そして、ユリシス。まさか、彼に泣かされる日がこようとは。ネタバレになってしまうので書けませんが、ユリシスの苦しみも悲しさも、これからエンディングまでのどこかで浄化されれば良いのにと切に願います。
切ないし悲しいし、これからのことを思うと苦しいのに、大好きな巻です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 和書(た行)
感想投稿日 : 2015年9月18日
読了日 : 2015年9月18日
本棚登録日 : 2015年9月18日

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