NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2011年8月5日発売)
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収録作品(全8作)
●上田早夕里『ナイト・ブルーの記録』
 海洋無人探査機の元オペレータは死を目前にして、ある体験を語り伝えようとした

 人間と機械の感覚的な融合
 MMAS(ヒト機械同化症候群)

●図子慧『愛は、こぼれるqの音色』
 かすかに歌声が流れる闇のなか、半裸の男女が舞い、溶けゆく

 セックスの感覚を「移し替える」技術、キネクス。
 黒丸は小遣い稼ぎのつもりで、仕事上知り合ったカレンとその本番に挑む。
 が、あまりに高得点をたたき出した彼女は業者に目をつけられ、体に負担があるにも関わらず再度の収録を強要され、死亡してしまう。
 彼らに復讐する黒丸。超暴力的とされた、彼の頭には脳チップが埋められていた。
 復讐により、彼は収監される。 

●須賀しのぶ『凍て蝶』
 時を超えて立ち現れた北壁。それは探し求めた禁断の門

 ある日、おやじの忘れ形見の絵を買ってくれた少女、ヨール。
 その絵にはどこにあるとも知れぬ断崖絶壁のある山岳が描かれている。
 だがそれは「不死の体」を与える「彼ら」の城だった。
 しかし、秘密を話すと不死は潰えてしまう。
 ヨールはその秘密を僕に話し、終を迎え、僕もまたそれをエーシャに話し、終わりを迎え用としていた。
 僕とヨールの娘である、エーシャに。 

●石持浅海『三階に止まる』
 単なる機械の故障という以上の何かが、あのエレベーターには、ある
 
 3Fに止まるのは、なにものかが僕らを三階に誘おうとしてor悪意を削り取るためにそうしたのであった。

●友成純一『アサムラール バリに死す』
 ヘンタイ作家・友成純一は、異国の地に果てた。一編の草稿を遺して……

 自堕落で酒と女に溺れたジュニチは現地の奇病「アサムラール」を発病して没した。

●宮内悠介『スペース金融道』
 惑星"二番街"の新星金融支社を震撼させた、アンドロイドの怪事件

スペース金融道
1st
アンドロイドXの「夜逃げ」。

●東浩紀『火星のプリンセス 続』
 あなたワ、娘と火星、どちらかを選ばなくてワいけない
 読みたい

●伊坂幸太郎『密使』
 颯爽としたヒーローはどこにもいない。哀しい現実だ……超絶技巧の時間SF、誕生

 相手と握手をすると、ほんの6秒間の時間を奪い取れる「時間スリ」の「僕」は、ある組織から、某研究施設からゴキブリを奪い取ってくるよう依頼される。

 大きく変えず、しかし世界を救うための、致し方がないが絶対的な犠牲となってしまうことが決められていた「私」。ゴキブリを世界に送り込むがためにその犠牲が予定されていたが、「僕」の活躍により、窮地を救われる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年12月22日
読了日 : 2015年1月16日
本棚登録日 : 2018年12月22日

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