煙霞 (文春文庫 く 9-9)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年7月8日発売)
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本棚登録 : 453
感想 : 42

「後妻業」を読んで、黒川博行氏のテンポの良い小説の流れが好きである。
又、大阪を中心として描かれているので、大阪人として、土地勘がすごく理解できるのと、関西弁の良さが、耳障りでない。

今の森友学園ではないが、私学助成金も不正受給をネタに、教師の椅子を確保したい 美術行使の熊谷と、音楽教師の菜穂子が、黒幕も知らずに、理事長誘拐へと、、、事件が発展していく。

理事長が、ホステスと欧州視察旅行に出かけるところを誘拐していくのだが、、、
不正金のお金を、ある口座へ振り込み、そして金塊へと交換していく過程が、今現在起こった金塊事件の内容の消費税で、利ザヤを稼ぐ犯行とは違うが、興味深い。

最後に、ホステスの嘘の言葉が、次から次へと謎解きのように、誰が黒幕なのか?と、、、、
ホステスが手玉に取っていたのは、、、
教師の菜穂子もホステス同様強い!
最後の下りは、退職金として、全部で取るわけでなく、自分の未来への投資に使うためのお金だけを要求するところであろう。

小説の最後の解説―ー辻喜代治(成安造形大学教授)が、作者黒川氏とのつながりを書かれているが、団塊世代の受験戦争が、今は大学の私学が、少子化で、生き残りを画策している時代である。
黒川氏の交友関係だけの話でも、これから、沢山の小説が、出来るのであろう。

次が読みたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年1月6日
読了日 : 2018年1月6日
本棚登録日 : 2018年1月6日

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