跡目 鬼役(十八) (光文社文庫 さ 26-23 光文社時代小説文庫)

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  • 光文社 (2016年6月9日発売)
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感想 : 8

どっぷりと、鬼役シリーズに嵌まってしまって、18巻目。

八瀬家の後継ぎに 卯三郎の試練の道が始まる。

親が成してきたことであるが、それを引き継ぐには、過酷な試練が、卯三郎に課される。
親として、こんなことまでしないといけないのか!というほど、桁外れの事ばかり。
死か生か、、、の極みを見極めなければいけない御役。
役料に匹敵しないのに・・・・
武士の矜持なのだろう。

神道無念流を標榜する練兵棺での十人抜き。
「忍耐、肝、不惑」を我が物とせねばならないと、、、御毒見役の睨み鯛の試練。
本当に毒を食らう事が、当たり前のように、志乃は、萬病圓の薬も用意している。

啓蟄を過ぎたばかりなのに、加賀藩の下屋敷の池での水練も、甲冑をつけて行われる。
昔 テレビで、甲冑を身に着けての立ち泳ぎ、そして、両手足を縛られての泳ぎ、、、を見たことがある。
我長兄も、幼き時に 大阪浜寺の水連学校へ幼き時から通って、遠泳を学んだと、聞いている。

今の稽古事の類ではない試練が、卯三郎に次から次にやって来る。
親しくなったコンタも、早駆けで、良き友のようになるのに、、、、
奴隷として売られたコンタの生涯は、狩りの獲物とされて、御全試合で、恥をかいた高力房之助の刀にかかる。
バサリと、、、作者は、切り捨てて行く。
心が、なえそう。
益戸寛次郎が、父と母の仇討ちに立ち向かった相手に非業の死を迎えないといけない結末。

卯三郎が、、、試練と共に、悪を切る様は、良いのだが、、
武士の世界、そして、男の世界に、志乃さんのように強い人になれない。
勝負の世界に身を置いたことが無いからだろうと、自分に問いかける。

最後に跡目のお披露目が、行われて、満足するのだが、、、、これからの、蔵人介と卯三郎の試練と活躍が、どうなることやら、、、、
またまた、次の巻を読みたくなって来た。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年5月4日
読了日 : 2018年5月4日
本棚登録日 : 2018年5月4日

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