為吉 北町奉行所ものがたり

著者 :
  • 実業之日本社 (2015年7月30日発売)
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本棚登録 : 136
感想 : 18

宇江佐真理氏の北町奉行所物語。
6話からなる連作短編集。

押し込み強盗で、運よく一人だけ難を逃れた幼い為吉だったが、家は取り潰され、叔母さんの所でも、苦労しながら、中間をしてきた。
与力、同心、岡っ引き、そしてその家族の人間模様と心の揺れ動きを、上手く描いている。

一之瀬春蔵の見習い同心は、臨時廻り同心の神谷舎人とうまく付き合えるか悩んでいた。
神谷のヒール役の意味を知って、本当の同心というものを知る。

与力の妻の村井あさ。嫡男の兄が亡くなったせいで、許嫁までいたあさは、養子を迎えることになるのだが、、、、
村井家の家族の人柄皆いい事に、微笑ましく読んでしまった。
両親、子供達、そして、夫の愛情が、どれほど深いのかと、、、
いつもの宇江佐氏の人情味ある描き方である。

岡っ引き田蔵と、下っ引き為吉、、、十手を預かる家から竹次を縄付きで出さないといけなくなる。
ここでも、人の優しさと、御上の采配の上手さを現して、ホットさせる終わり方であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年3月6日
読了日 : 2017年3月6日
本棚登録日 : 2017年3月6日

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