着物の始末屋を営む 余一。
着物の汚れ等、悉皆屋と、言っていて、我母の着物も洗い張りとかしたり、着物を染め直ししていた。
昔は、振り袖の着物の袖を短くして、訪問着などに、直していた。
着物は、ほどいて、子供用にしたり、布団や座布団に替えたらしいが、、、、
今回は、「神の衣」「吉原の桜」「なみだ縮緬」「いまだ来たらず」の4話である。
「神の衣」――嫁入り前の娘と同じ着物を着せられるお玉と、大隅屋の御新造さん(姑)とが、若い恰好をしているのを瓦版に載せられたのを、どう機転を利かすのか?と、思いながら、、、読み進んだ。
自分の古着を、着たきりの貧乏人への寄進する事になるのだが、この話の中で、紙の着物の話が出て来る。
昔の人の知恵といのは、凄いと、思った。
洗えないが、軽くて、安い、吸収性がよい、、、、僧侶が修行の時に紙衣を着るとか、、、見てみたいと思った。
「吉原の桜」――花魁のいろはの打ち掛けの直しについて、、吉原での恋愛御法度事情が、描かれている。
そう、桜は散っても、来年又、この桜の花が見れると言う気持ちが、綺麗だと、感嘆させるのだと、、、、
「なみだ縮緬」――余一と、だるまやの娘 お糸の恋のじれったいようなどちらも、相手を気遣って、身を引かないといけないと、思う気持ち。
余一が、手直しした振りそでと、共に、柳色や浅葱色の端切れが、入っている。
昔は手絡を曲げに巻きつけて使うの物で、地味な柳色などは、既婚の女の事を表しているのを見て、お糸は涙するのである。
「未だ来たらず」――外見の良さだけで、相手の良さや、好かれる理由にひがみ、嫌味な事をしてしまう千吉。
昔の仲間が、踊りがうまいのをひがんでしまったが、その踊りを見て、自分の至らなさを痛感するのである。
さてさて、与一とお糸の恋の行方が、これから気になるし、色々な話の中で出て来る、着物柄や帯の柄が、付録に書かれていて、なるほど、、、こんな柄なんだと、より面白さを感じる本であった。
- 感想投稿日 : 2016年3月9日
- 読了日 : 2016年3月9日
- 本棚登録日 : 2016年3月9日
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