高千穂伝説殺人事件 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (1987年10月23日発売)
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本棚登録 : 262
感想 : 12

【概略】
 美しきバイオリニスト・本沢千恵子の父・誠一は浅見光彦に娘との縁談を提案する。が、その実、彼が抱える不安の萌芽に備えての仕込みであった。突然の誠一の失踪、そして留守番電話に残された謎のメッセージに千恵子は浅見光彦に助けを求める。メッセージは、宮崎県の高千穂に関連したものであった。浅見光彦と千恵子は、神話と伝説の土地・宮崎へ飛び、事件解決に臨む。

年月日不詳       読了
2024年01月05日 読了
【書評】
 今回(2024年)の九州遠征に宮崎県が入っていて、可能なら高千穂に行きたいと思っていたこともあり旅のお供に書庫から引っ張り出した。行きの飛行機であっという間に読み進めてしまった。テンポ・リズムが凄くよい。父・本沢誠一の先見性あふれる仕込み、彼が何を恐れているのか?闇に隠れた組織が、その隠された秘密とともに少しずつベールを脱いでいく様子、過去にも読んでいるのにはじめて読んだかのようにワクワクしながら読み進めることができた。
 高千穂のミステリアスな雰囲気が光を強く照らすことでこの「秘密」をより漆黒にしてくれたというのもあるかな。実際のところはあくまで旅情ミステリーであるため高天原をはじめとする神話の部分について大きく踏み込んでる訳じゃない。だから歴史のことに興味がなくても楽しめる内容だと思う。
 宮崎県に入る前に読み終えることができてよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス・ミステリー
感想投稿日 : 2024年1月7日
読了日 : 2024年1月5日
本棚登録日 : 2024年1月7日

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