成熟脳: 脳の本番は56歳から始まる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2017年12月25日発売)
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本棚登録 : 322
感想 : 31

【概略】
 「物忘れが多くなってきたな」と嘆く40代の皆さん、それは物忘れではなく、脳が不要な回路を切り、出力を出す方向に切り替わったため。実は脳は56歳で、最も成熟した形をとるのだ。
 「三つ子の魂、百まで」は本当なのか?失敗は成功の母、とは何故なのか?失敗を他人のせいにすると、ヒーローになれないのは、何故か?共感を求める女性脳、不実であることを嫌う男性脳、とは?
 また、母語・そして言葉が持つ「音」から生み出される感覚の違いにも言及した、AIエンジニアによるエッセイ集。
 
2018年05月10日 読了
2019年03月07日 読了
【書評】
 現時点、「人生のバイブル(和書)10冊」のうちの一冊。読み物としてのリズムが最高に、いい。
 いい意味での、男性と女性の(全部が全部、そうじゃないけど相対的に)違いを、凄く平和的に受け入れて、「お互いによいところを、尊重して、素敵な生活にしましょうよ♪」という姿勢が感じられるんだよね。もう、ビクビクだけど・・・誤解を恐れずに言わせてもらうと、たまに見かけるもん・・・「寄らば切る!」みたいな感じで、ハリネズミみたいに針を剥きだしにして、ぶつかってくる女性・・・。そんな極端な事例はさておき、男性脳と女性脳の違い、凄くわかりやすかった。実際に「そうだよねぇ、わかるよぉ」という言い出しを使うようになってから、女性から褒められるようになったという(笑)(パートナーを探している男性の皆さん、是非、参考にしてみて!)
 もう1つ、言葉の子音と母音の違いが聴き手に与える印象の違い、「S音」の爽やかさ、「Y音」の上質さ、等々・・・これはとても興味深い。実際に著者が関与した商品の中でも、ヒットを生み出している点からも、やはり関連はありそう。スピーチや英語落語のセリフまわし、勉強してみたい。
 ・・・ということで、読めば読むほど、そして、読んだ時の読み手の経験が、鏡のように見事に反映される、素敵な一冊。興味のある方、是非、読んでみてくださいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人生の歩き方
感想投稿日 : 2019年3月8日
読了日 : 2019年3月7日
本棚登録日 : 2019年3月8日

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