「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた

著者 :
  • PHP研究所 (2017年3月17日発売)
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【概略】
 無限の可能性にあふれていた、というより「無敵」だった赤ちゃんや小さな頃の自分、いつから「どうせ無理」という言葉でもって自分の可能性に蓋をしめてきたのだろう?また、いつから周囲が自分に対して「どうせ無理」という言葉でもって自分の進みたい道に立ちはだかるようになったのだろう。「どうせ無理」という言葉を言われ続けつつも、飛ばし続けた紙飛行機にのせた想いは、いつしか宇宙にまで広がった。宇宙ロケットを飛ばす会社の社長さんによる「どうせ無理」を取り除くお話。

2018年05月28日 読了
2020年09月02日 読了
【書評】
 人生のバイブル10冊(和書)の1冊(2020年9月9日時点)。今月(2020年9月)に YouTube に up 予定の「独りビブリオバトル」で紹介したくてまた読んでみた。
 このテの本って凄く難しいと思っていて。というのは、耳障りのよい言葉やフレーズ(たとえば「頑張らなくていい」とか、「あなたは最高だ」とか・・・って、なんて陳腐なフレーズしか思い浮かばないのだ)の羅列ばかりで、そのあと「じゃあ新たに踏み出す一歩目はどうすればいいのだろう?」って部分、触れてないことがあったりする。もちろん癒されるために読む本だってあるからそれを否定するものではないけれどね。この本は、まずは読み手の心を開く(著者である植松さんの言葉がスッと入っていきやすいように)ような内容ですすみ、後半に「はじめの一歩」が記されている。その点が凄くイイのだよねぇ。
 「独りビブリオバトル」でも話そうと思っているけど、キーとなるのは「自分との対話」なのじゃないかなと。それを植松さんは本書では「紙」という素材を使ってみたらと提案してた。デジタル世代はわからないけど、アナログ世代である自分は生き物である人間にとってはアナログ要素は、そして、「少し手間をかける」という行動は実は有益だと思っていて。「紙」を使った対話については「なるほど」と思った。
 もう一つ、特にこれからの将来(特に仕事という意味で)を考えようとする若者(うーん、違うなー、自分も含めた全世代の人間かな。なにせ100歳まで生きる時代だから 笑)の、「夢」「なりたいもの(こと)」の可能性の狭め方についての逆説、可能性の広げ方について述べられてた部分、興味深かったね。これは以前にも読んだ「具体と抽象」と通じるところがあって。たとえば「サッカー選手になりたい」となると具体度が凄く上がるけど、少し抽象度を上げて(縛りをゆるめて)「サッカーにかかわる職業」としてみたら随分変わるよね。勿論、尖った先の、さらに向こう側に進むって素晴らしいことだしそれを否定するものじゃないし、それこそ人外の世界に飛び込むぐらい狂気をまとってやらないと掴めないものもあるのだけど、若い時にゼロイチ過ぎると、「夢」の外に入っちゃった時、辛いしね。そういう意味では本書での話ではないけど「名詞」で将来を決めるのではなく「動詞」で将来を決めるってのも、アリだよね。
 この本に限らず、自分は大人、しかも45歳という年齢になった立場で「うんうん」と理解して、そして実践したく読んでる。けど、たとえば自分が親という立場だったとして、自身の子どもにどうやってこの感覚を自覚してもらえるかとなると、凄く難しさを感じてしまう。それは自分が「どうせ無理」と言われてきて、それを「反骨心」ではね返してきてしまって、さらにそれで過信しちゃって周囲に「どうせ無理」と言っちゃってしまったフェーズを経験しちゃってるから(笑)この辺りは「独りビブリオバトル」で語ろう(笑)
 当事者意識を持ちながら本を読むと、きっと楽しく、きっと悶々とすると思う(笑)この本に限らずね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人生の歩き方
感想投稿日 : 2020年9月9日
読了日 : 2020年9月2日
本棚登録日 : 2020年9月9日

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