Origin: A Novel (Robert Langdon Book 5) (English Edition)
- Anchor (2017年10月3日発売)
【概略】
未来学者・Edmond Kirsch が命を奪われたのは、まさに彼が世紀の発見を世に知らしめようとした瞬間だった。プレゼンテーションのコンセプトは「我々はどこから来て、どこに向かうのか?」神が創りしものとされる人類の本当の起源と、これからの人類の結末についての発表が、一発の銃弾によって奪われてしまった。彼の恩師であり宗教象徴学者 Robert Langdon は、その発表の場に居合わせた。Edmond Kirsch の遺志を継いだ Robert Langdon の頼りは、Kirsch のプログラムしたAI・Winston 。スペイン王子の婚約者も巻き込んだ、人類の起源と運命を解き明かす歴史サスペンス。
2019年07月15日 読了
【書評】
Langdon シリーズ最新刊。前作の INFERNO がとても辛くて・・・でも「ひょっとしたら自分の英語力の低さが原因による『楽しめない』のではなかろうか?」なんて思ってもいたのだよね。いやいやいや・・・そんなことなかった!今回は凄く面白かった!
Dan Brown の作品は Langdon シリーズは全部読んでて。今回のは Angels and Demons に比肩する感じ。最初からずっと、「次は何が起きる?」ということを思わせてくれるリズムの良さが出てたなぁ~。
概略で示した「どんな発見を発表するんだ?」を主軸イベントに、その軸に関連して出来事が同時進行をしていく。中には直接関係がないイベントもありつつも、そのイベントに巻き込まれている登場人物の、主軸イベントに関する精神的関与などもあり、読みながら「この人は関係があるのか?」なんてことを考えながら読んでいく良さがあったね。
(ネタバレはしないけど)ただ、色々なSF映画や小説に触れてる関係で「(証拠や明らかな言及を見つけた訳じゃないけど)多分・・・コレがこーなって・・・」という予想をしてて。そこはね、思いっきり・・・当たった(笑)そういう意味では、「うぉぉぉぉ、そう来たか!」とい爽快感は、なかったね。
未来学者の Edmond Kirsch は無神論者で科学者。だから、今回の発表である「人はどこから来て」の部分では、思いっ切り宗教とぶつかる。でも皮肉なのが・・・(これも予想できた)「人はなぜ宗教にハマるのか?」という要素を、結局は利用しちゃってる部分もあったりして。しかも、ある意味、タチが悪い。とある人の人生、壊してるもん。ここに「人間」という「種」の面白さ(怖さ)があるのだよねぇ。感情に支配される生き物だから、いくら合理的に考えようとしても、ココロが震えた時には理屈じゃなくなるのだよね。・・・なんてことを思ったよ。
ホント INFERNO では「もう Dan Brown は読むのやめようかな」と少し思ってしまったけど・・・やっぱり良かった♪ただ、惜しむらくは・・・舞台であるスペインの歴史に疎かったことと、スペイン系の登場人物の名前が・・・ごっちゃになって大変だったこと(笑)この辺りは、英語力というよりも・・・教養の問題だ(笑)
- 感想投稿日 : 2019年7月16日
- 読了日 : 2019年7月15日
- 本棚登録日 : 2019年7月16日
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