1立志篇 2大望篇 3天命篇 4風雲篇 5裂心篇
上記5巻からなる火怨の前篇となる時代の物語。
火怨の主人公であるアテルイの生まれる前から、青年期をを迎える749年から30年くらいの間の話である。
主人公は1~4までは道嶋嶋足で5で伊治鮮麻呂に移る。
嶋足と物部天鈴は京にて、蝦夷への不遇を避けるために
ありとあらゆる手段を用いて暗躍する。
1では橘奈良麻呂と藤原仲麿の権力争いに絡み、嶋足を出世させ発言力のある地位へ押し上げていく。
2では権力を握った仲麻呂をその座から落とすために活躍し、3で坊主の弓削道鏡を権力の座へつかす。
4でその道鏡を失墜させ、坂上田村麻呂の父、坂上苅田麻呂を国府多賀城の主とさせる為活躍。
5では一変、嶋足、天鈴の仲間である鮮麻呂を中心に、京ではなく蝦夷の暮らす東北が舞台となり、朝廷に蝦夷が挑んでいく先駆けとなる物語になる。
嶋足、天鈴が京で、朝廷と蝦夷の争いを防ごうと頑張るのだが、結局はそれは時間稼ぎでしかなく、どうしようもない流れに呑みこまれていく。
鮮麻呂はアテルイ達、次世代に全てを託し自分は風になる決断を下し去っていく。
出来れば、火怨を読む前にこちらを先に読みたかった気がする。
順序はどうであれ、完璧に面白く、中弛みもなく感動と、小説の面白さを堪能できた。
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カテゴリ:
高橋克彦
- 感想投稿日 : 2015年11月2日
- 本棚登録日 : 2015年11月2日
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