サンネンイチゴ

著者 :
  • 理論社 (2004年10月1日発売)
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本棚登録 : 331
感想 : 48
4

こたろうさんのレポを読んで興味を惹かれた1冊です。


文芸部所属、読書好きのインドア派、森下ナオミは中学2年生。
正義感は人一倍強いのに、やることなすことカラ回り
小心者で、学校では存在感の欠片もないのが現実。




たまたま、寄り道した古本屋でバッグを盗まれてしまい
ヘタリこむナオミに声をかけてくれたのは
隣のクラスの手塚くん


ジュースを買ってくれて優しく話を聞いてくれる
ちょっといい感じかも・・・・でもナオミは思い出す


手塚くんはナオミと同じクラスの学年きってのトラブルメーカー
柴咲アサミの彼氏と噂されている男子ではないか
ナオミのかわいい恋の妄想は即効で終わりを告げる



この事件をきっかけに、アサミと、手塚くんと話すようになり
アサミの兄とも親しくなり妙な友情関係が始まった



アサミ達は街の悪者退治に必死だ
スプレーギャングや連続窃盗事件
窃盗と言ってもケータイにつけるアクセサリーや
バックにさげたキーホルダーなど、取るに足らない小物たち
ナオミもバックを盗まれた際にマスコットを取られていた



アサミ達がどうしてそこまで街に入れ込むのか
不思議だったがアサミ兄弟の街への思いれは
ちょっと切なかった。



ナオミとアサミのキューピット的な手塚くんが
とてもいいキャラクターだった
空き地に不法投棄されているダンプカーの荷台で
ワイルドストロベリーやショートケーキイチゴを
育てている。3年目でようやくひとつ実がついたと
言っているのでここでの栽培を3年も続けているのかと
ちょっと驚いたけど
せっせっと畑仕事に精を出す手塚くんは
ちょっぴり変わっていて優しい人だ。



アサミはナオミの事をおとなしいけど芯が強くて
ちゃんと自分の意見を持っている人と見てくれていた
曲がったことが嫌いでぶっきらぼう


ナオミと友達になりたいのに素直に言えず
手塚くんにぶつぶつ言っている所がとてもかわいい



ひょんな事から連続窃盗事件の犯人の情報を
ゲットしたナオミはアジトへ行ってみる
予想外の展開はあったものの事件はめでたく
一応の解決をみる



究極の内弁慶でひっこみ思案
人に自分からアプローチするのが得意じゃなく
友達ができにくい体質だと自負するナオミが
妄想から一歩前に進んだことで
ナオミの隣にはアサミと手塚くんが笑っているという
百パーセントの現実がそこにある



これからもみんなをよろしくと言う
ナオミの気持ちは学校の屋上から見える
青い空と同じように澄んでいるのんだろうな
青春満喫の一冊でした。



この年代の時はとても世界が狭かった事を
思い出します私もナオミのように
一歩前に踏み出す事ができていたら
また違う世界が見えていたのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年4月16日
読了日 : 2014年4月16日
本棚登録日 : 2014年4月16日

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