岸辺のない海 (河出文庫 か 9-6)

著者 :
  • 河出書房新社 (2009年8月4日発売)
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感想 : 13
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《ぼく》はへ理屈をこねてイライラさせたり、子供を泣かせたり、酒場でくだをまき、苦痛や死体のような女が好きで、くだらない話しかしなくて、結局自分しか関心がない最低な奴だけど、たぶんマルセルちゃんを裏返した姿なんだ。〈オレンジ色や薔薇色やブルーの光〉を発し、〈吐き気のするような甘ったるい臭いを発散させ〉る街を〈金色のライオン〉を求めて徘徊したり、〈ラム酒〉を飲んで酩酊しながら
ギラギラ照りつける〈太陽〉に〈じりじり〉焼かれ、熱くなった砂浜に横たわってガラスみたいにキラキラ光る海を眺めて暮らすのが心地いいんだ。

「ピース・オブ・ケーキ…」もそうだったけどストーリーとかそういうのよりも色とか音とか匂いとか手触りとかの描写なんかが好きでノオトに鉛筆で書く代わりにアイホンに書き出してたら読むのにすごく時間がかかった。読み終わってからまた冒頭をちょっと読んだけどやっぱり最高!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年4月15日
読了日 : 2014年4月15日
本棚登録日 : 2014年4月15日

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