何年か前に著者の『空色バトン』を読んでとてもよかった記憶があり、たまたま本書を目にして、大人になってからは滅多に読まない児童文学作品を手に取ってみた。
結論から言うと、空色バトンの方がよく出来ていて面白かった。
ひたすらに地味で目立たない文芸部員のヒロイン、正反対の不良少女と見なされている傍若無人な金髪少女、大人になることを拒否している心優しい小柄な少年、彼らが対決するたちの悪い連続盗難事件の犯人による物語。
設定された性格とは不均衡に、中学2年生とはいえ、というか、にしてはあまりに無防備な主人公、金髪少女の大学院生の兄がありがちなキャラクターのうえにあまり活躍せずフェードアウト、街中の少年ギャングたちの抗争も物語に絡んでこないまま、とツメの甘い部分がちらほら…。
とはいえ、冒頭の担任教師の横暴さは鋭く描写されていたし、主人公の家庭の状況にもリアリティがあった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年8月12日
- 読了日 : 2021年8月12日
- 本棚登録日 : 2021年8月12日
みんなの感想をみる