歌行燈・高野聖 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1950年8月15日発売)
3.60
  • (72)
  • (84)
  • (159)
  • (20)
  • (3)
本棚登録 : 1274
感想 : 94
4

初めての泉鏡花、めちゃくちゃ良かったです。全体的に構成力が凄いと感じました。高野聖は語りが多層化していて、読み進めて気がついたら幻想世界に踏み込んでいます。また、歌行燈では複数ある物語が、少しずつ重なっていき、最後のシーンで一体になる構成は読み進める手が止まらなくなるほど面白いです。文語体や時代背景の知識はあるに越したことはないですが、最初に軽くあらすじをなぞっておくだけでかなり読みやすくなりました。個人的には歌行燈の鼓を取り出すシーンが震えるほどカッコよかったのと、売色鴨南蛮のラストの衝撃がハイライトです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月6日
読了日 : 2021年12月6日
本棚登録日 : 2021年12月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする