ツリー図、ベン図、マトリックス、点グラフ、フロー図の5つの図を使い分けて、問題や課題を分析し、解を得る方法が解説されている。
第1章 図で考える習慣をつけよう
第2章 5つの基本図で問題を明らかにできる
第3章 的確に状況を把握する
第4章 対策方法を検討する
第5章 実際の現場ではこう活用しよう
分析対象の要素別に用いるのに適したフロー図が巻末に綴じ込まれている。すぐれもの。これがあれば、一目で状況に応じて適した図、対策方法に応じて適した図を簡単に選択できる。わからなくなったら本文を見ればいい。
ワイド新書版で130ページほど。見開きの右側ページは図。カラーでよりわかり易い提示の工夫。販売、企画、開発、生産とさまざまなビジネスシーンでの問題、課題を例題として解説。
とはいえ、図を作る以前に、問題の要素を洗い出し、分類する分析力を持っていることが前提。その辺のやりかたのこつとでもいえる解説が第5章に。現状把握と対策検討を通して考える際のポイントが。
ハンドブックとして手元に置いて図を使って考えをまとめる方法を定着させたい。
表紙の「こんがらがった自分の頭をすっきりさせる本!」にがっつり囚われた。『夏の終わりのト短調』に似たような台詞があった。「こんがらがった頭の中の糸を誰かすっきりほぐして」とかなんとか。『夏の終わりのト短調』を読んだ当時、「ほんと、ほんとに誰かほぐしてくれたら」って思い、そのまま人生が20年以上経過している。読まずにはいられないだろう。
よく練られた構成だ。とはいえ自分になじみのない例題は読み解くのに苦労した。しかしそういうところは軽めに流して、卑近な問題にフォーカスを当てて読んでいくと、よし!という気になれる。お気に入りの例題は残業続きの原因は自分の仕事のやり方に無駄があるためではないかと考えて「時間がない」病から脱却を図るというもの。「書類がみつからなくなり、よく探す」とか「文具類などもなくなることが多く、探す手間がかかる」なんて、ほんとにシンパシー。こんな例題が考えられるとは三菱総研所属の超エリートな著者の周りにも私みたいなこんな人がいるということなのだろう。
- 感想投稿日 : 2010年6月15日
- 読了日 : 2010年6月15日
- 本棚登録日 : 2010年6月15日
みんなの感想をみる