製作20周年ニュープリント版で劇場公開されていたので見てきた。
レオス・カラックス監督のアレックス3部作と呼ばれる連作の完結編で、ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュが主演。
ジュリエット・ビノシュが好きで観に行って来たのだが、どうにも良くわからない話だった。
浮浪者同士が舞台となるポンヌフ(という橋)で恋に落ち支え合いながら生活する話。
噂によるとレオスカラックスとジュリエットビノシュは製作当時恋愛関係にあり、製作途中に破局しているらしい。
噂によるとこの映画のあとレオスカラックスがしばらく映画をとらなかったのはこの失恋の痛手が原因だとか。
ということで、ドニラヴァンがレオスカラックスの化身(と言われている)ならば、ストーリーとして、元々浮浪者であったアレックスのところにミシェルが転がり込んで、病的に内向的であるアレックスの心を開こうとしていくという構図はうなずける。
しかし私はこの映画が良くわからなかった。
映像と音楽があまりに凄すぎて、ストーリーを追えなかったのだ。
中でも花火のシーンはもう本当に綺麗で、綺麗で、今までに見た映画の中でも最高のシーンの一つ。このシーンのために何度でも見ても良いぐらい素晴らしいシーン。
その他にもオープニングのトンネルのシーン、生々しく描かれた収容所のシーン、水上スキー、美術館、浜辺、ジュリアンの夢、ポスターを燃やす、雪のなかの再会のシーンなど、印象的なシーンは多々あるのだが、それがストーリーとして結びつかない。
それは最後の半ば強引なハッピーエンドにも原因はあると思うのだが、
それは閉鎖中のポンヌフという隔離された場所で自分たちの中に閉じこもって暮らす2人の物語だったからだ、と書いておく。
つまりストーリーが理解されることを拒んだのだ、と。
うん、何言ってんのかね。
だったら初めからストーリーは無視して音と映像にのめり込むんだった、という反省もある。
個人的には「目覚めよ、パリ」というラストは好きですが、この映画じゃなくて良かった。
でも花火のシーンだけでも38億かけた意味があるよ。
落ちこむなよ、レオス。と過去に戻って言ってあげたい。
(花火のとこだけでも)絶対に見た方が良い。
- 感想投稿日 : 2011年2月24日
- 本棚登録日 : 2011年2月24日
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