実態はこんなものだったのか。『特攻セズ』でもいい加減さにあきれたが、本書で水木氏が描いたニューブリテン島バイエン(ズンゲン)での様子を見ていると、やってることは稚拙で、兵隊は人間扱いされず、支隊長は己の美学に酔い、参謀は玉砕の形を繕おうとする。戦争って何?誰のため?いったい何のため?と思ったが、登場人物も作中でそう述べ、実際戦場でそう言われたようだ。漫画本編もだが、あとがきの2ページにも満たない水木氏の簡潔だが重い文章がずんと響く。水木先生、すみませんでした。本書はもっと早く読むべきでした。
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- 感想投稿日 : 2020年10月25日
- 読了日 : 2020年10月22日
- 本棚登録日 : 2020年10月25日
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