短編3編。他の作品に比べてやや恋愛要素強め。『アレグリア…』ほど社内の状況に対し強くきれているわけでなく、『ポトスライムの舟』ほど悩みや横の繋がりが深く強く描かれてもいない。芥川賞候補だったようだけど受賞しなかったのはその辺かなと思ったりも。芥川賞の選評を見ると「小説はもっと仕掛けるものでは」(池澤夏樹)「(生活の無為性や無劇の劇性が)人間の最も芯にあるものに触れてくるなら結構だが、それもまた稀薄な作品ばかりだった。」(石原慎太郎)とある。たまたまヘビーな本の後に読んだこともあってか(世の中こういう部分もあるよね)とふっと一息。表題作のタイトルは好き。「カソウスキ」うまい使い方だと思う。山田詠美には不評だったようだが。
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- 感想投稿日 : 2021年11月5日
- 読了日 : 2021年11月3日
- 本棚登録日 : 2021年11月5日
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