前著「老いる家 崩れる街」の続編的な書籍ですが、住宅過剰社会の問題に(どちらかといえば)マクロにフォーカスされていた前著よりも、「空き家の適切な取り扱い方法」というテーマに限定された内容でした。
街に点在する空き家は、相続・税制度といった構造的な背景から生まれていきますが、空き家の増加は街の崩壊(防犯・防災・治安悪化ほか、エリア価値の低下)につながりかねません。そうした空き家を、うまく住宅市場や再活用に活かすための事例紹介がされています。
特に、全米で展開されているランドバンクは注目に値すると感じましたが、そのための法制度的な環境整備がまだ日本は追いついていません。
最後に、住宅を所有する当事者に向けた「住まいの終活」の方法が紹介されており、ここが著者の最大のメッセージなのだと感じました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
【専門】都市・まちづくり
- 感想投稿日 : 2020年5月9日
- 読了日 : 2020年5月9日
- 本棚登録日 : 2020年5月9日
みんなの感想をみる