ジブリの教科書13 ハウルの動く城 (文春ジブリ文庫 1-13 ジブリの教科書 13)

制作 : 文春文庫編集部 
  • 文藝春秋 (2016年8月4日発売)
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感想 : 9
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このジブリの教科書シリーズ、入門者向けには最適だが、シリーズを通じてだんだんと物理的にも薄く、内容的にも薄く、なっていく。
「千と千尋の神隠し」では、作画監督らのインタビューのおかげで持ち直していたが。
「もののけ姫」をきっかけに大塚英志が「降りた?」のが原因かしらん。

ナビゲーター・綿矢りさ 本物の美しさとは何か★
Part1 映画『ハウルの動く城』誕生
スタジオジブリ物語 時代を反映した『ハウルの動く城』★
鈴木敏夫 宮崎作品の中でもっとも苦労した『ハウル』
宮崎 駿 ハウルの動く城 準備のためのメモ★
宮崎 駿 イメージボード
Part2 『ハウルの動く城』の制作現場
[作画監督] 山下明彦 山下の味が出ていると宮崎さんに言われました
[作画監督] 稲村武志 自在に変化していくキャラクターの魅力
[作画監督] 高坂希太郎 キャラの感覚を摑むことが求められる『ハウル』
[美術監督] 武重洋二 ヨーロッパの乾いた空気を意識した背景作り
[美術監督] 吉田 昇 抜けるような青空の下を歩く、色鮮やかな城
美術ボード
[デジタル作画監督] 片塰満則 擬態するCG
[ハーモニー処理] 高屋法子 キャラクターとして立たせたかった「城」
ハーモニーって何?
[監督] 宮崎 駿 「前向きな悲観論者」の本音 独占インタビュー『ハウルの動く城』 全米公開で宮崎駿監督に聞いた13の質問★
映画公開当時の新聞記事を紹介!
ベネチア国際映画祭授賞式での監督インタビュー
Part3 作品の背景を読み解く
・viewpoint・ 美輪明宏 少年の純粋はたまゆらのごとく
鈴木敏夫×山田洋次
対談 映画を愛する二人から映画製作のススメ
from overseas
ディディエ・ペロン ミヤザキの魔法
本田晃子 建築が飛び立つとき★
西村醇子 音から読み解く「ハウル」の世界★
雨宮まみ プレイボーイには心臓がない
佐藤忠男 『ハウルの動く城』の魔法とはなにか

出典一覧
映画クレジット
宮崎 駿プロフィール

■綿矢りさ。美の価値観の違い。母をとびこえておばあさんにならなければ安心できない。老いに固執するのも不自然。
■宣伝しない宣伝。(映画がいいから観客は見に行くのではなく、映画の評判がいいから(多く宣伝されているから)見に行く。)
■鈴木敏夫。細田守。1カットがいつもの2倍。主人公がおばあさんだから動きが遅いんだ! 後半は戻して、前後半で店舗が違う。新しい恋人に古女房の介護をさせる。階段シーンは有能な原画のおかげ。
■駿メモ。開催新喜劇風ファンタジーを、2004年の世界が許さない。
■駿インタビュー。大切なのは彼女が年を忘れること。押井守は宮崎は日本破壊願望を持っているというが、破壊したいのではなく壊れるだろうと思っているだけ。
■本田晃子。「鶏の脚の上の家」はヨーロッパ民話に典型的な魔女の家。城は街の外部にありながら内部にもある。共同体から排除される一方で、国家の中枢にも通じている。ロシアのフョードロフの「重力からの解放」。大地=死へと縛り付ける重力の克服。弾圧されたこの思想を、ロシアアヴァンギャルド建築によって「革命的に」読み替えられていく。ところが無重力状態の生は、死に似通っていく。大地へ帰還するラピュタとは正反対の選択をする。
■西村醇子。原作の翻訳者。原作でも映画でも音が効果的。
■朝宮まみ。荒れ地の魔女は、魔法をかけたつもりで、実はソフィーにかかっていた劣等感という呪いを偶然にも解いてしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画本
感想投稿日 : 2020年8月4日
読了日 : 2021年2月5日
本棚登録日 : 2020年8月1日

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