川端康成集: 片腕 (ちくま文庫 ふ 36-1 文豪怪談傑作選)

著者 :
制作 : 東雅夫 
  • 筑摩書房 (2006年7月1日発売)
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本棚登録 : 383
感想 : 29
5

備忘録に残っていないが、2006年刊行のアンソロジーなので、それ以後にざっと読んだはず。
それを川端マラソンの最後のほうにもってきたのは、別の文庫に散らばっているということもあるが、この本こそが我が川端観を形成してくれたからだ。
最近既読のものもざっと再々読して、やっぱり凄い作品集だわ、と。
ランダムにどのページを開いてもほぼゾッとする話に出会える。

■「片腕」 ※既読「眠れる美女」新潮文庫
■「ちよ」 ※既読「川端康成初恋小説集」新潮文庫
■「処女作の祟り」 ※既読「掌の小説」
■「怪談集1―女」 ※既読「掌の小説」
■「怪談集2―恐しい愛」 ※既読「掌の小説」
■「怪談集3―歴史」 ※既読「掌の小説」
■「心中」 ※既読「掌の小説」
■「龍宮の乙姫」 ※既読「掌の小説」
■「霊柩車」 ※既読「掌の小説」
■「屋上の金魚」 ※既読「掌の小説」
■「顕微鏡怪談」 ※既読「掌の小説」
■「卵」 ※既読「掌の小説」
■「不死」 ※既読「掌の小説」
■「白馬」 ※既読「掌の小説」
■「白い満月」 ※既読「川端康成異相短篇集」中公文庫
■「花ある写真」 ※記憶が薄いので再読。
心霊写真。しかも子宮の入れ替え。引き取った少女が起こすポルターガイスト。こりゃ面白い。
■「抒情歌」 ※既読「伊豆の踊子」新潮文庫
記憶が薄いので再読してみた。
凄い。
■「慰霊歌」 ※既読「伊豆の踊子・禽獣」角川文庫
記憶が薄いので再読してみた。
「抒情歌」とセットで並べられているのは意味があることで、どちらも心霊趣味と性愛とを重ねた、独特な芸風なのだ。
そして川端作品ならではの特徴としては、視点人物がすでにして向こう側に片足突っ込んでいるということだ。
また本作では、鏡の向こうの女たち、とか、マッチの火で女の裸体を凝視しようとする、とか、やはり眼の感覚が強烈。
舞台劇にしたら素敵そう。
■「無言」 ※既読「抒情歌・たまゆら」旺文社文庫「川端康成異相短篇集」中公文庫
■「弓浦市」 ※既読「川端康成異相短篇集」中公文庫
■「地獄」 ※既読「川端康成異相短篇集」中公文庫
■「故郷」 ※既読「掌の小説」「川端康成異相短篇集」中公文庫
■「岩に菊」
記憶が薄いので再読してみた。
美術好き→墓の思索→幽霊を呼び出して会話してみる。
面白い。果ては自然があれば墓は不要と。実に面白い一篇。
■「離合」 ※既読「抒情歌・たまゆら」旺文社文庫「川端康成異相短篇集」中公文庫
■「薔薇の幽霊」
記憶が薄いので再読してみた。
キュート・ゴースト・ストーリー。
■「蚕女」
記憶が薄いので再読してみた。
■「Oasis of Death ロオド・ダンセニイ」
記憶が薄いので再読してみた。
ダンセーニを選んだのもグッとくるが、若い頃にはこの文体もあったのだな。
■「古賀春江」
記憶が薄いので再読してみた。
「窓外の化粧」くらいしか知らなかったが、友人であった川端の推し作品をしることができた。
「文化は人間を妨害する」「深海の情景」「サアカスの景」そして「素朴な月夜」「そこにある」「牛を焚く」「煙火」さらには「埋葬」「肩掛の女」および「二階より」「魚市場」を検索。
■「時代の祝福」 ※既読「川端康成初恋小説集」新潮文庫
◆解説 心霊と性愛と 東雅夫

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学 日本 小説 /古典
感想投稿日 : 2023年3月28日
読了日 : 2023年3月28日
本棚登録日 : 2012年10月13日

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