李さん一家,海辺の叙景 (ちくま文庫 つ 14-3 つげ義春コレクション)

著者 :
  • 筑摩書房 (2008年12月10日発売)
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第3回 李さん一家/海辺の叙景(4作を除き「ガロ」掲載。)
・古本と少女 1960、1966 あの本は当然きみのところへ行くべきなのでね。
・不思議な手紙 1959、1966 貴方に対しては罪を感じ、沼田には感じない……この矛盾した気持を貴方はどう解くでしょう……
・手錠 1966 だれかはやく来い。おれの足がくさりかけている。
・蟻地獄 1960、1967 ただ自分が最後まで冷静でいられることを証明したいのです。
(↓以下5作時代もの。つげとしては意外と白戸三平作風に寄せているのか。)
・女忍 1961、1966 くく……あじなことを……でかした……。
・噂の武士 1965 私は思った。彼が武蔵のニセ者であっても、彼自身は本物であると……。
・西瓜酒 1965 西瓜酒瓜酒を作って大売出しをやるのさ。
・運命 1965 あの一太刀は致命傷だったろう……おぬし子供までできたのか……。
・不思議な絵 1966 イタズラの偶然か……そうなると出さんわけにはいかんな。どれ一パイ。
(↓この辺からまさにつげ+ガロのマリアージュという感じ。)
・沼 1966 そのようにどなったれば、耳がせつないです、つらいです。
・チーコ 1966 嘴がまっ白になっていく。
・初茸がり 1966 どうしてこんなに大きな時計があるんだろう?
・通夜 1967 それにしても強情な死体だったよな。
・山椒魚 1967 明日はどんなものが流れてくるものか、それを思うと俺は愉しくてしようがないんだ。
(↓李さん2作と、無用者や蒸発の路線。)
・李さん一家 1967 ぼくの優雅な生活におし入って来たこの奇妙な一家がそれからどこへ行ったかというと、実はまだ二階にいるのです。
・蟹 1970 そして一瞬、蟹があのハサミでラーメンのクズをチョキチョキきざんで食べているようなそんなバカバカしい想像をしてしまった。
・峠の犬 1967 五郎と呼ばれ、ハチと呼ばれ、なんとも思ってはいないのだろうか。私はゆっくりゆっくり峠をおりた。
・海辺の叙景 1967 あなたすてきよ。いい感じよ。
(解題・高野慎三 解説・風景にたたずむ「つげ義春」 夏目房之介)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2020年12月30日
読了日 : 2020年12月30日
本棚登録日 : 2020年6月3日

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