ホラー小説でめぐる「現代文学論」―高橋敏夫教授の早大講義録 (宝島社新書 250)

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  • 宝島社 (2007年10月6日発売)
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感想 : 9
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ホラー=おぞましさ=自分を含む内部への恐怖。
解決不可能性による内破=壊れ。廃墟。
血塗られた想像力=スプラッター・イマジネーション。
異化。脱自動化。歴史化。いらだち。
やはり1995年。わからなさは解決の拒否。
解決可能性のミステリー→解決不可能性のホラー。
怪物があらわれた、殺せ→怪物があらわれた、人間が変われ。
グロテスクなもの。
以上、総論
以下、各論ないし通論を経て、戦争ののちの隠蔽の総力戦への、暴露のゲリラ戦をホラー小説は担わされているという発見。

サブカルやテレビドラマやベストセラーやオタクコンテンツを現代思想や社会学と結び付けて、という論評にはもううんざりした経験あり。
結局はあんたの好きなものを恣意的に結び付けて意見したいだけだろ、と。
しかしこんなふうに好きなものが共通していると、うーん確かに、と納得させられてしまう、わが芯のなさよ。

でもいい小説が多いんだもん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトエッセイなど
感想投稿日 : 2017年4月30日
読了日 : 2017年4月30日
本棚登録日 : 2013年4月13日

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