新しい平和構築論

  • 明石書店 (2005年3月14日発売)
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感想 : 1
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 NGOなどの実務家が中心になって書かれた平和構築に関する書籍。一応、法制度、国連、武装解除、難民、人間開発等、色々と分けてはいるものと相互に関連性があり実務家が多いのである意味で強い同質性は感じるが、視点を変えれば本書を読みやすくしているともいえる。
 著者の一人であり元民主党代議士であり須藤信彦氏は私の実家の選挙区だが、氏の冒頭の論文は若干、一般論的な主張が多く、導入としての章はせめてきちんと学術的体系を持たせるか、さもなければ決めつけた様な言い方は避けるべきだと思う。また、この本の著者陣の論文から平和構築に興味を持った人々が自ら研究を進める先行研究が示されていない点(参考文献はあるが、いずれも著者陣の著作とわずかな邦文、それも多くの章でこれが重なっている)は残念である。その意味でいえば、学部生が「動機付け」に読む書籍だろう。後半の実務家の経験に基づく話はおもしろかった。
 日本の場合は、やはり東南アジア支援がメインだが、これらの国の背景説明としてアンダーソンの本を読んだ後なので余計に理解は高まった。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 国際政治
感想投稿日 : 2007年9月7日
本棚登録日 : 2007年9月7日

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