▼いつかは読んでみよう、と思っていた一冊。ジャン・ジャック・アノー監督の映画は堪能、面白かった。
▼読んで分かりました。この本が、超世界的ベストセラーにも関わらず、「ほとんどの人が読み通せていない。見栄で置いているだけで、すぐに挫折する」と呼ばれる理由が。(世界で一番、売れてるけど読まれていない本、という噂があります)
▼この本は、うーん、たとえ言えば「吉里吉里人」的な井上ひさしさんの小説に似ていて、コレデモカと本筋以外のことに雄弁なんです。
ここで言っている「本筋」というのは「殺人事件とその謎解き」です。そして「それ以外のこと」というのは、「ラテン諸国における中世キリスト教のさまざまな小事件や教義的論争」なんです。
▼つまり、殺人事件については置いておいて、書かれていることの5割から6割くらいは、日本で言うと「大学の研究者レベルくらいに、中世キリスト教について詳しくない限りは、何について書いているのだか、ほぼほぼぜんぜん、分かんない」というゾーンの話がえんえんと続くんです。
▼これが面白いかというと、ほぼほぼ分かんないですから、面白くありません(笑)。ただ、「ああそうだよなあ、中世のキリスト教世界ってこうだったんだろうなあ」と薄く味わいながら、じゃかじゃか飛ばし読みをします。
この「飛ばし読みをしていく」という読み方(?)が出来なかったら、ぜっっったいに、読めたものじゃありません。拷問です(笑)。
▼一大ミステリとして、「なぜ薔薇の名前はベストセラーになったのか?」という本があったら読んでみたいですね。でもまあ、そういうことが時々起こるのが大衆社会のいとおかしな要素なんだろうなあ、と。
▼というわけで脳内ではショーン・コネリーが大活躍しながら、飛ばし読みしつつ下巻に突入。人物名が当然ながら分かりにくくて、本筋ですら良く分からなくなる(笑)。まあでもそれなりに興味深い本です。
- 感想投稿日 : 2024年4月11日
- 読了日 : 2024年3月3日
- 本棚登録日 : 2024年3月3日
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