命を奪われないためには、価値のある話をしなければならない…。自分を殺そうとする女のために、男たちは必死に物語を紡いでいく。
猟奇的なミステリーかと思いきや、男たちよって語られる不思議な物語がさらに新たなストーリーを生み出し、すぶずぶと奥底へと引きずり込まれていく。行き着いたと思った先にまた新たな物語があり、浮上したと思うとまだ続きがある。
いくつもの独立した短編もしくは中編は、続きはどうなるというところで放り出される。が、徐々に物語同士がリンクして境が曖昧になり、最後は現実とともにひとつにまとまっていく。
作者の仕掛けた複雑な迷宮に翻弄され、迷子になるような感覚の楽しめる読書だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年3月7日
- 読了日 : 2019年3月7日
- 本棚登録日 : 2019年2月26日
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