芥川賞を受賞した表題作ほか3編を収録した短編集。
長年連れ添った夫婦は顔つきが似てくるというけれど、ここでは結婚3、4年でその不気味さに気づいた妻が主人公。作者お得意の毒を交えてグロテスクに描いている。
結婚生活数十年という立場から見れば、パートナーと同化することを心地よいと感じるか、気味が悪いととらえるかは、連れ添った二人の時間の長さやその過ごし方にもよると思う。長年一緒にいれば、同居間もない頃の違和感にもなじんでくるというもの。まあ、感性がマヒしてきたとも言えるけれど、適度な距離のとり方を学んだ結果かな。
新聞のコラムも読んでいるけれど、作者の尖った感性はおもしろく、小説としては興味深かった。
(レビューさぼって、読後2か月の感想)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ま行
- 感想投稿日 : 2018年1月10日
- 読了日 : 2017年11月2日
- 本棚登録日 : 2017年11月2日
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