私の母方の祖父も、満州(長春)にいました。祖父は、13歳ほどで満州に渡ったと聞いています。
当時は、多くの日本人が、「新天地」に渡りました。
夢の国、満州と呼ばれていたそうです。
今とは比較にならないぐらいの日本人が住んでいたと聞いています。
祖父は、終戦と同時に、日本に帰国した引き揚げ者ですが、当時の状況は、母には語りたがらなかったみたいです。
「まぁ、ええではないか」が、口癖で、おそらく、たくさんの悲惨な光景を見て、それを思い出したくないんだと思います。
さて、この『チャーズ』ですが、読んでいくうちに、あまりの著者の過酷な体験に閉口させられます。
まさに、地獄そのものを経験した人が書くことができる真実です。
人間が虫けらのように死に、殺され、人権無視の扱いを受け、騙され、屈辱を受けと、、、何も知らない私のような世代
(83年生まれ)が読んだら、現代とあまりの違いに言葉が出ません(現代は、現代で、残酷ですが、、、)。
著者が専門である理論物理学を捨て、留学生の援助に自分の存在意義や心の空白を埋める何を見出したのは、
著者以外、わからないと思いますが、どこまでいっても、人は、自分で行動して、他人から救われるのだと思いました。
著者の文章力は、そんじょそこらの小説家よりも、はるかに上です。読ませます。是非、一読を!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年6月6日
- 読了日 : 2017年6月6日
- 本棚登録日 : 2017年6月6日
みんなの感想をみる