草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 唐紅色の約束 (だいわ文庫 I 335-3)

著者 :
  • 大和書房 (2017年12月9日発売)
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本棚登録 : 98
感想 : 9
5

唐紅色の約束、か。
なるほど。
おけいちゃんは現在で言えば、生きにくさを抱えた子なのかもしれないな。
金魚という友だちを得たことで少しでも救いになってくれたらいい。

そして無念の幽霊嫌いの原因が明らかに。
七年もの間、よく耐えたね。
「自分だけが生き残ってしまった」という後悔がそうさせてしまったのかもしれないし、本能寺無念というペンネームにも、その気持ちが現れているのかも。
ともかく、少しずつその傷が癒えればいいなぁ。

今巻は、松吉と竹吉の薮入りを描いた短編「薮入り」、勘兵衛とかつての愛弟子との淡い懸想「名月を杯に映して」、真葛が著した『独考』をどうにか本にしようとがんばる長右衛門のスピンオフが挿入されていて、物語に奥行きを与えています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年1月7日
読了日 : 2020年1月7日
本棚登録日 : 2019年10月25日

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