たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年3月10日発売)
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本棚登録 : 156
感想 : 14
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題名の『たった一人の反乱』は絶妙。誰かの個人的な決意とそれと独立した誰かの決意が相乗的に重なり、ユーモラスながら何処か悲哀に満ちた物語を紡ぎ出す。この「反乱」とは自我の芽生え、悪く言えば自分勝手な主張といえよう。

作品自体は中盤まで非常に退屈。しかしながら半分か三分の二を超えたあたり、ツルのある決意から物語は面白くなってくる。本作品を読むと赤塚不二夫氏の漫画を思い出す。学生運動や授賞式のくだりなんか、もうわけがわからない。散漫にして奔放。なぜこういうプロットになるのか。理解に苦しみながら、またそれが面白い。丸谷氏の魅力はこのナンセンスさにあるのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2017年2月15日
読了日 : 2017年2月15日
本棚登録日 : 2017年2月7日

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