「創業は易し守成は難し」。「経営の神様」と謳われる松下幸之助だが人事政策と後継者育成に失策をみた気がする。会長に退いたにも関わらず組織改革に采配を揮ったり、「山の上ホテル事件」での責任者降格は結果的に経営者の品位を失墜させたように思える。特に二代目正治氏の解任を三代目の山下氏に委譲してしまったことが最大の過ちであろう。そこが混乱の始まりであった。
昨今(2015年)は大企業の不祥事が色々あったが、そういった外を向かず中で迷走する企業をみると、ユーザーファーストでプロダクトに全神経を注ぐシリコンバレー系企業に勝てない現状をまざまざと見せつけられ日本人として悲しくなる次第である。
ともすると歴代経営者の功績には触れず悪口しか書いてないようにも思えるが、丁寧な取材によって旧松下電器の魑魅魍魎の世界が垣間見える一冊である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ビジネス/政治経済
- 感想投稿日 : 2015年11月4日
- 読了日 : 2015年11月7日
- 本棚登録日 : 2015年11月2日
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