「マロリーは人類で初めてエヴェレストを登攀したのか」、本書は山岳小説でもありサスペンスでもある。現実から逃げるためカメラの真相究明に嵌り込む深町、山に魅せられ山でしか生きられない羽生、ヒリヒリするような人間ドラマが織り成される。
圧倒的な孤独感と慢性的な酸素の欠乏感、灼けるような内臓の悶えと凍傷の恐怖に耐えながら、それでも8,000メートル級の山嶺を目指すのはなぜか。第一踏という人類が味わえる有限の登攀に賭ける人々の想いに多少なりとも同化できる気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2015年8月30日
- 読了日 : 2015年8月30日
- 本棚登録日 : 2015年8月28日
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