ベクションとは、身体は動いていないのに周りの景色が動くことで、身体の方が動いていると錯覚する感覚のこと。身近なところでは逆方向へ進む電車のすれ違いや映画などで空を飛ぶ演出などで体験することができる。また、最近流行りのVRはこのベクションを最大限に活かしているといえる。ただ、本書はベクションを詳細に解説しているとは言い難い。同シリーズの『シュメール人の数学』ほどひどくはないが、研究の様子や苦労したところなどのエッセイが説明の合間合間に挟まっており、解説が中断している。苦労話を書くなとは言わないが、そういうものは説明と切り離したコラムでするべきだと思う。研究を身近に感じてもらうようこのような構成にしているのかもしれないが、研究の内容が伝わりにくくなり却って逆効果ではないかと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
科学
- 感想投稿日 : 2017年12月31日
- 読了日 : 2017年12月31日
- 本棚登録日 : 2017年12月31日
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