【ネタバレあり】かなり前から存在は知ってたんだけど絶版で手に入らなかったのがやっと読めた。脳内野球リーグを作り上げた男の虚構の野球リーグと現実の境目があいまいになるとか、オタクがその世界に他人を招こうとしてエラい目にあうとか極めて現代的。原書出版が45年前とか信じられん。で、壮大な脳内野球リーグにハマり過ぎて仕事をクビになる男の名前がヘンリー。偶然なんだろうけど、非現実の王国でのヘンリー・ダーガーを思い出す。現実には冴えない中年〜初老の独身男、ひとたびアパートに帰れば壮大かつ現実よりよほど強固で、自分の自分による自分だけのための王国が待っている。ただ、2人のヘンリーが違うのは、ダーガーは死ぬまでこの王国を誰にも見せなかったのに我らが主人公ヘンリーは友人を自分の王国に招待してしまい、ヒドい目にあう。小学生の頃、転校したばかりの学校で新しくできた友人が自宅に遊びに来て、大事にしていたNゲージでレースをされたこととか思い出したりして泣きそうになる。うむ、今こそ読まれる価値があるはず。すべての野球データマニア、すべてのオタク必読の書。
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- 感想投稿日 : 2014年2月20日
- 読了日 : 2014年2月20日
- 本棚登録日 : 2014年2月20日
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