ヘンリー・ジェイムズ傑作選 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (2017年8月10日発売)
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本棚登録 : 66
感想 : 5

大好きな翻訳者さんだから、内容的には迷いなく購入!
ただ、値段は文庫で、1,900円(税別!)
うん、紙の本、応援団だから…!!

さてさて、行方先生が選んだ、
お勧めの5編を収録。

最初の「モーヴ夫人」については
はっきりしないなんだかモタモタした印象の
話だな、って思ってしまったのだけど、
これは初めて読んだときには「ふーん…」と言う
印象だけれど、しばらくたつと気になる系の
お話かな?って少し思った。

そして「五十男の日記」も、
なんとなく気持ち悪い話で、
「あれ…」と少々戸惑いを覚えた矢先、

次の「嘘つき」で一気にドドーッと面白さが
流れ込んで、読みながらほっと安心。

そしていよいよ「教え子」と言うお話まできたら、
『あ~、私はこういうお話がとびきり好きなんだ!』
と嬉しくなった。

ある風変わりな少年の家庭教師をやることになった
青年の物語なんだけれどね。

ただ、このラスト、ジェイムズのあのお話と…、ねぇ!

ジェイムズ的に突き詰めるとこうなっちゃうのかしらん?

最後の「ほんもの」も、笑えるような泣けてくるような、
生きて行くってなんとも切ないもの。
(お金がなくっちゃねえ!)

巻末の行方先生の解説で、鑑賞がより深くなる。

行方先生の言葉を、大好きな先生の授業のように、
ひたすら良い子になって
ひと言ももらさないよう、ちゃんと聞いている私だ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヘンリー・ジェイムズ
感想投稿日 : 2018年3月21日
読了日 : 2018年3月21日
本棚登録日 : 2018年3月21日

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