さらば愛しき女よ (ハヤカワ・ミステリ文庫 7-2)

  • 早川書房 (1976年4月1日発売)
3.67
  • (79)
  • (125)
  • (173)
  • (14)
  • (3)
本棚登録 : 1161
感想 : 86

また読んでる…!

この間読んだ「長いお別れ」ですっかりマーロウ君に心酔中。

今回は村上春樹訳が出たとき飛びついて買って、
読んでなぜか挫折していた、この本。

どのあたりで挫折したかと言うと、
大鹿マロイと、マーロウ君が出会い、
「フロリアン」で一杯交わすところ、くらいで!
(「初っ端も初っ端ではないか!!」と笑ってくださいな)

今となってはなぜ、この素晴らしい小説を
途中で投げ出したのか、不明。

出所した大鹿マロイが、別れた女を探して
訪ねてきた現場に偶然居合わせたマーロウ君。

しかしそこで大鹿マロイはまた事件を起こしてしまう。

その後、ある依頼を受けたマーロウ君は、
重大な失態をしてしまうが…。

またまた、今回も現れました、吃驚するくらいの美女が…!

風に草がなびくように
素敵な女たちが当たり前にマーロウ君にメロメロになる感じが
非常に心地良いです。

一匹狼で、権力に阿ることなく、
金持ちにもへつらわず、常に自分にとっての真実を求める
この男の姿に、魅力を感じない人はいないでしょうねえ。
あ~あ、なんともかっこいい!

今回は命の危険を冒すほどの大冒険もありました。

大鹿マロイの純情、あの女のある愛の形、
人間臭い警察官や、憎めないあの男などなど…

ある事件と事件が、徐々に繋がっていくところ、
本当に引き込まれて、あっという間に読んだ。

またへんてこな面白いたとえが沢山出てきて、
村上春樹はチャンドラーに大いに影響を受けてるでないの!
と証拠を掴んだようで嬉しかった。

そして「あ、この部分、村上春樹はどうやって訳したのかな?」と
読後ちらりと読み比べたりして、
ちがう楽しみもありました。

チャンドラーが病床の奥さんを看護しながら
小説を書いていたというのは知っていたが、
その奥さんはなかなかの美人の、18歳年上の人(!)で、
奥さんが亡くなって、
がっくりきたチャンドラーは
アルコール依存症になってしまった、とあった。

ここに今一人、形を変えたマーロウ君、と言う感じで、
ますますチャンドラーが好きになってしまった!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: レイモンド・チャンドラー
感想投稿日 : 2013年10月6日
読了日 : 2013年10月6日
本棚登録日 : 2013年10月1日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする