湯ぶねに落ちた猫 (ちくま文庫 よ 22-1)

著者 :
制作 : 小島千加子 
  • 筑摩書房 (2008年6月10日発売)
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本棚登録 : 96
感想 : 18
5

大好きな吉行理恵さんのこちらの本、再読

お兄さんやお姉さんやお母さん(そしてお父さんも?)
のかげに隠れて
目立たないような理恵さんだけれど、
実際エッセイや小説の内容も
しんみりとしているけれど。

読み終わるとしみじみ、大事に大事に読みたい本です。

猫のお話が多いんだ、と言うかほぼ猫のお話だ。
超犬派の私からみても猫も良いものかもしれぬと感じる。

体も弱く、誰かに会えば傷つくから、傷つけるから、と言う理由で
ひっそりと暮らす理恵さん。

繊細な分、辛辣で的を射た言葉を言ってしまうのかな?と想像。

そこに淳之介さんの文が載っている。

「十四歳ごろも生意気、というか、
大人が本気で腹を立てるようなことばかり言うので、
毎日のように喧嘩していた。
三十近い男が、十五歳年下の妹に、
本気で腹を立てているのにふと気付いて、
滑稽な気分になるときがあった。」

を読んで
私の想像は間違っていないような気がしている。

理恵さんを見守る、そして理恵さんが大事にしている家族や
お友達の話が素敵だ。

姉の和子さんが入院した時頑張る理恵さん、
面白く、その後、涙。

読み終わって、私は私の希望を叶えてあげているかな?
と振り返る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 大のお気に入り
感想投稿日 : 2012年11月16日
読了日 : 2012年11月16日
本棚登録日 : 2009年11月4日

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