やっぱりドルは強い (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版 (2013年4月12日発売)
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本書でいう「ドルは強い」とは、あくまで基軸通貨として。ドル高や、引いては米国経済が強いというわけではない。むしろ、そちらが衰退しても、その地位は確固たるものだと指摘。
本書にあるように、基軸通貨の強さの源泉は「決済機能」にあり、全世界の「情報」や「機能」がドル決済を通して米国に集中する仕組みが形成されていて、この仕組みこそがアメリカの金融権力の源泉であり、外交力や国力を支えているのだそう。
口座凍結が北朝鮮への有効な手段となり得たように、米国には軍事力では解決できない問題への対処方法も持ち合わせている。この「基軸通貨国の外交力」と著者が呼ぶ米国特有のパワーがあるからこそ、世界の中心として君臨するんだろうと改めて認識させられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2013年5月11日
読了日 : 2013年5月11日
本棚登録日 : 2013年5月11日

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