東京の過去の街の姿を地図から捉え、その痕跡を現代の地図や実際の遺構に見出す。震災や空襲、度々の開発によって、過去の多くが失われてしまったが、それでも東京には歴史の名残が数多く存在する。それらの歴史を紐解き、歴史的事実、古地図、現代地図、そして現地を行き来していく。
ただ、書名に"散歩"とつくわりには散歩感がない。徒歩移動の醍醐味というのは、視点移動によって刻々と変わる景色であったり、足で感じる地形の変化であったり、そうした連続的な身体感覚を伴うところにあると思う。だけど、本書はちょっとその辺りが薄い。さまざまな歴史的遺構を提示してはくれるものの、それらが点として孤立してしまい、徒歩移動の連続性に欠けるきらいがある。そのあたりが繋がってくれるとさらに良かったのだが。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年10月2日
- 読了日 : 2014年9月30日
- 本棚登録日 : 2014年10月2日
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