ナボコフの文学講義 上 (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2013年1月9日発売)
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感想 : 21
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「文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年がすぐ後ろを一匹の大きな灰色の狼に追われて、ネアンデルタールの谷間から飛び出してきた日に生まれたのではない。文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年が走ってきたが、その後ろには狼なんかいなかったという、その日に生まれたのである」

とりあえず上巻。「ロリータ」で有名になる前のナボコフ先生が大学で文学を教えていた時の講義録。上巻は、オースティン、ディケンズ、フロベール(下巻はスティーヴンソン、カフカ、プルースト、ジョイスとのこと)。
文学はフィクションであるというその一点を徹底的に突き詰めて、文体の奥の奥まで読み込んでいく。そこまで読み込むか、というレベルまでの読み込みで、ちょっと真似できない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2018年9月9日
読了日 : 2018年9月9日
本棚登録日 : 2018年7月19日

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