羊の木(5) (イブニングコミックス)

  • 講談社 (2014年5月23日発売)
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本棚登録 : 35
感想 : 2
3

原作山上たつひこ、作画いがらしみきお、ギャグ漫画界の巨匠二人が取り組んだのは、まったくギャグ要素のほとんどない超シリアスな物語。
殺人、強姦、詐欺、暴行……刑期を終えた凶悪犯罪者を衰退しつつある地方都市に移住させる極秘プロジェクト。11人の元受刑者の存在を知るのは市長ほか3人だけ。トラブルを繰り返しながらなんとか新たな市民として溶け込んだかに見えた矢先、不穏な事件が市内で相次ぐ……
多数の犯罪者とそれ以外の市民たちが入り乱れ、善と悪、正気と狂気の境はどんどん曖昧になっていく。物語にはいちおうの決着がつけられるが、張られた伏線のいくらかは回収されず、不穏の種は残され続ける。誰が悪いのか誰が正しいのか、全ては混乱したまま幕を閉じる。「ほんの少しだけ愛を多く賜りたい」その言葉が人々を幸福にするのか、それは最後までわからない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2014年12月22日
読了日 : 2014年12月22日
本棚登録日 : 2014年12月22日

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