好きになった作家さんのことを調べること、ってありますよね。
どんな人なんだろうか、とか。
たとえば宮下奈都さん。とっても好きな方なのですが、「あの1年」が彼女を大きく変えたことは間違いありません。そのときのエッセイも素晴らしかった。
そのときに思ったのが、「読み終えるのが寂しい」。私だけかと思ったら、他の人も書いているんですよ。これはすごいエッセイだ。あの1年はなんだったんだろう?
です。たとえばね。
この本「魚神」の舞台設定は百数十年前くらい?でしょうか。
お恥ずかしながら、ちょっと辞書を引かないとわからない漢字もありました。そういう時代設定のお話を描く、そんな新人賞をとる(デビュー作で)人はどんな人なのだろう?と思うのは自然なことです。
で、ええええ???
でした。2つの点で驚いたのですが。
1.同郷でした。同じ空間を過ごしたことがあるのに、この違い(わたしとね)はなんだろう?と思うわけです。私は今も森に囲まれた暮らしをしています。そこから森に関するお話がかかれているのかもしれません(これは違う本「森の家」のことです)。
まあ、ここまではたいしたことではないですが。
2.でもさらに、驚愕の事実が。
なぜ、このような文章が書けるのだろう、と。だから描けるのかもしれない(気になる方は是非ご自分でしらべてみてくださいな)。でもな~、違いすぎるよなあ。
本作は、ちょっとかわいそうな生まれの白亜と特異な才能をもつスケキヨのお話です。誰も助けてくれない、自分で解決するしかない状況・環境に置かれています。その中で自分たちなりにみつけていきます。
ここまで書いてちょっとだけ既視感が。60歳超えデビューしてベストセラーとなった「ザリガニの鳴くところ」。恵まれない、でも才能がある。そして誰も助けてくれない。自分で解決策を見つけ出すしかない、というお話なのですが。デビュー作というのも一緒だ。。。
「運命的」とレビューされている方がいました。それも本書と共通しているかな。
1冊の本で別の世界に入っていけます。
この世界を創ることができるのも、彼女の生い立ちにあるのでしょうか。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
そんなあなたに「滝田明日香さん」をお勧めします!
千早さんの生い立ちとも関連があります(ご職業とお勤め先ね。きっとそんな環境を過ごした(わけないか)?)。とにかく面白いエッセイです。
- 感想投稿日 : 2022年6月7日
- 読了日 : 2022年6月6日
- 本棚登録日 : 2022年6月3日
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