なにかが首のまわりに (河出文庫 ア 10-1)

  • 河出書房新社 (2019年7月8日発売)
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感想 : 74
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アフリカ関係の本は、滝田明日香さん以来。(そうえいばキリマンジャロ登山の本とバッタの本は読んだ!)
滝田さんが繰り広げるエピソードは、私の知らない世界であり、わくわくしながら読んだことを覚えている。

本書の、チママンダさんは、世界的に活動されている。
本の評価が高いことは知っていたけれど、活動拠点はアフリカではなくアメリカ。来日もしていて、松たか子さんが朗読???
なんとも驚くものがある。

アフリカに私は行ったことなく、はっきり言って知らない世界である。
それをいいことにアフリカのイメージが作られてきた感がある。
それを証明するものが、FACTFULNESSのチンパンジーアンケートである。
にしても知らないことが多すぎる。
この本は、マスコミにつくられたものではなく、アフリカの暮しから出てきたもの。アメリカへの移住、査証取得に伴う面接に関する切実な対応・対策については、確かに驚いた。特別な心構えが必要なのである。
出張で同行していた人が(アフリカではありません)、イミグレーションで賄賂を要求されて払っていたけれど、まだまだどこもかしこも腐敗しているのかな。

今回滝田さん、チママンダさんに共通して感じたことは、治安の悪さと、腐敗した警察、根底にある宗教である。バッタの本にも(あまりにも有名な本なので、これだけでわかるひとはわかるとおもう)、信頼していたドライバーに盗まれた話がでてくる。
はやり怖いイメージはあるけれど、どうなんだろう。

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317頁

『闇の奥』的なイメージのアフリカは、アフリカを反人間としての「他者」と見なすことが可能な場です。つまり、西側諸国の人々がその人間らしさを試す場ということです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年10月2日
読了日 : 2023年10月2日
本棚登録日 : 2023年9月20日

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